「劇場版PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」初見時のさっくり感想

タイトルの通り、公開日の翌日(5/13)に1度目を見てきました。

感想を端的に言うと、「見たかったものが見れて満足」。不満点や納得しきれていない点が0ではありませんが、十分に期待通りの良い作品でした。

1回目視聴の記録として、以下、満足した点と不満点をそれぞれ簡単に書いていきます。核心的な部分には触れないつもりですが、書いていく中で触れたい部分も出てくると思うので、ネタバレの要素は必然的に含まれると思います。未視聴の方はご注意ください。

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満足した点は一言で集約できます。前述した感想と同じですが、「見たかったものが見れた」ことです。

今回の劇場版は2019年公開のSinnners of the System(通称SS)3作目「恩讐の彼方に__」と、同年放送の3期の間を埋める話。SS3作目と3期では、物語を取り巻く状況が大きく変わっていましたが、3期(正確には「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」)終了後にもその理由はわからないままでした。今回の劇場版で見たかったものの一つが、この「二つの作品の間での状況の変化の理由」でした。こちらについては、今回の劇場版が時系列的に2作品の間を埋める話であったこともあり、納得できる形で理由を知ることができました。

また、こちらは予告が出た時点で期待していたことですが、1期で問われた「シビュラと法」に関して、一つの結論が出たことも良かったです。これまで長らく「法や個人による意思決定」の重要性を説いてきた朱が、その信念のために大きな決断し、行動する姿がやっと描かれた形になります。1期からリアルタイムで追ってきた身として、非常に感慨深い気持ちでした。

(エンディングテーマ「当事者」のアニメ版MVが出た時点のツイート)

もちろん、その決断や行動の中身やその後の朱の状況を見ると、決して喜ばしいとは言えないのですがね……。

その他、PSYCHO-PASSになくてはならない銃撃や格闘シーンや、過去作品とのつながりが要所要所で見えるのも、長年作品を追ってきたファンとして嬉しく、満足できる点でした。

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不満点はいくつかありましたが、正直重箱の隅を突くような細かい部分がほとんどでした。それらのほとんどの不満点についてはもう一度見直すことで納得できそうなものが多いので、ここで取り上げるのは一旦置いておきます。

唯一大きく不満だったのが、最後の朱の決断についてすんなり納得できるだけの説明がなされていなかったと感じられたことです。直前の砺波と朱のやりとりで、朱が「法」を重要視していることについての納得感は十分でしたが、その後に朱が決断するまでの流れがいささか性急に感じられました。

法の撤廃とシビュラシステムへの一本化の流れがあることは映画の冒頭で理解できましたし、このままだといずれはその流れの通りに事態が推移していくであろうことも十分に察せられる描写になっていたと思います。しかし、本来であればシビュラと人間の共存を望んでいたはずの朱が、他の手段を考える余裕がないくらいに法撤廃の流れが進んでいることをラストシーンの時点で十分に理解できていなかったために、朱がその決断をすることに若干の違和感が残ってしまいました。「式典」という場が用意されているあのタイミングしかなかったとはいえ、「法と同じくらいシビュラの有用性を理解している」朱を長年見てきた身としては、他に何か手段はなかったのかという気持ちを抱かざるをえなかったというのが正直なところです。

この不満点について、違和感自体はそう大きくないものであり、また見逃しているだけで実は十分な納得を得られるだけの情報は作中で細かく描写されていて、何回も見直せば、もしくは見る人によっては十分に納得できる類のものかもしれないです。しかし、ラストシーンの納得感に直結する部分ということで、初見の状態でも確実に理解できるように、もっと丁寧に伝えることができたのではないかと思います。ファン以外の人は、きっと一回しか見ないでしょうし、映画の評価にも直結する部分だと思うので……。

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以上、初見時の感想などなどでした。

少なくともあともう1回は劇場で見てくる予定なので、考えが変わる部分があれば改めて記事にしようと思います。とにもかくにも、とても面白かったです。

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